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イガワヒロトのブログ

志について探求を続けるイガワヒロトが、いつまでも青臭い心(ブルーハーツ)でニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオなど)の批評や日常の思った事を青っちろい言葉で記事にします。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

専門家の意見

ドナルド・トランプさんが、多くの専門家の予想に反して、アメリカ大統領選挙を勝利しましたね。

専門家の意見とは、このように外れることもあるということを改めて垣間見た。

外れたことの一因には、専門家と言えども「トランプには勝ってほしくない」という期待が判断に影響したのではないだろうか。

専門家の意見が信じられないと思っているわけではない。

但し、事の本質には、そういうことがあるのだという事を、世界中の人が理解する機会にはなったのだろう。

理解しなければならないのだろう。

予想を外した専門家は、専門家として成長する機会を得ただろう。

むしろ、トランプ当選を早期から予想していたって言ってドヤ顔している人は嫌い。

2017年~2021年の4年間は、世界が大きく動くだろう。

特に、2020という年はこの世界の運命を大きく変える年になるだろう。

全ては僕ら人間が進歩する機会なんだと捉えたい。

豊洲移転延期に反対する人の盲点

小池知事が築地市場から豊洲市場への移転延期を決定したことに対し、反対意見(要は、早く移転すべきと言っている)を述べている人も多くいます。私はそうした主張について理解できるし正しいと思えるところもありますが、一方でそうした主張者の盲点となっていると感じるところがあり、その点について私なりの考察を述べたいと思います。

市場

まず、豊洲問題を考える際には、問題を以下の4つに分解して考えるという構造把握力が必要です。

豊洲市場の利便性の問題

②公費の適切な使われ方の検証

③環境安全対策

④情報開示方法の不備

報道では、これらがごっちゃになって伝えられていて、言う側も聞く側もそれぞれを分けて捉えないと議論が全然かみ合いません。

上記の前提を踏まえ、移転延期へ反対している人たちの主な意見は以下の通りです。

豊洲が危険というが、十分に対策はされており、問題ないという専門家の意見もあるので移転すべき。

豊洲が危険というが、築地の方が危険であるため、移転すべき(もしくは築地の環境調査と比較をして判断すべき)。

・延期をする分コストがかさみ、その分は都民が負担をすることになるため、延期はコストの無駄である。

・「誰が悪かったのか」といった犯人捜しにコストやリソースをかけても仕方がない。

・そもそも、環境基準自体が過剰であり、それを基準に移転の是非を決めるではない。

・オリンピックに環状線の工事が間に合わなくなる

・移転延期をすることで逆に豊洲風評被害を生んでいる

先ほど豊洲問題の構造を4つに分けましたが、ここでは①豊洲市場の利便性の問題と②公費の適切な使われ方の検証はさらっといきます。

豊洲市場の利便性の問題については、意見延期反対派の方から特段の意見というか提案はほとんどお見受けできませんが、延期することによって、内装の改修などで利便性を向上することができる余地が生まれるかもしれません。

②公費の適切な使われ方の検証については、延期をすることによって、結局はコストがかかるという主張が考えられます。

しかしながら、悲しいかな今の政治には公金の不正利用問題を見ても自浄作用が十分に働いているとは言い難い現状があります。その中で小池知事が「築地移転は一度立ち止まって考える」「制作予算の見直し」と公約を掲げて当選をした以上、やらないわけにはいかないという状況があります。

その状況の中、豊洲問題をいわばやり玉に挙げて公金の適切な使われ方についての検証と改善を図ることは、豊洲問題という数ある問題の一つだけの視点ではなく、広く東京都が今後行うすべて政策について活かされるという意味で価値のあることだと思います。

さて、私がこの記事で一番書きたかったことは、移転延期反対派の人の主張も集中している③環境安全対策と④情報開示方法の不備に関連する考え方です。

このことについて考えるうえで、必要な概念として我々が普段何気なく使っている「安全」と「安心」の言葉への理解です。

まず「安全」とは何でしょうか?

我々は安全だと思って、自動車や飛行機に乗りますが、一方で、自動車も飛行機も事故が起こり時には死ぬこともあることを知っています。それでも自動車や飛行機に乗るのはなぜでしょうか?

それは、自動車や飛行機に乗ることで得られる便益(早く快適に目的地までつけること)が、その低い確率で起こるリスク(事故に遭って怪我をしたり死ぬこと)と比較した時に便益が勝る状態を安全と考えます。

つまり、安全とは、リスクを取ってでもそこから得られる便益を得たいと思える状態を指します。

それはなぜかというと、100%の安全なんてものは世の中に存在しないからです。

そうしたリアリスティックな概念であるため、英語でもSafeという単語で欧米人とも共通認識を持つことができます。

一方で「安心」とは何でしょうか?

また、「安心」という英単語はあるでしょうか?

安心とは恐らく日本独特の概念であると思います。

安心とは現実にそんな状態はあり得ないかもしれないが、それでも100%絶対に大丈夫であると思える状態を指します。

私は日本人の事「安心」という概念を大切にすることが、高いホスピタリティや技術力を生み、それが今も世界中から日本製品が評価されている源になっていると感じています。

私たちは平気で正反対の概念である二つを「安心で安全な・・・」と並べて使いますが、それぞれの意味について改めて理解を深めるべきだと思います。

そして、私が本文の冒頭に申し上げた、移転延期反対派の方々の盲点とは、この「安心」という日本人がこれまでに大切にしてきた概念についてです。

実際、移転延期反対派の方々の主張はほとんどが「安全」についてです。

私は移転延期反対派の方々の延べられている客観的なデータ等をもとにした主張は間違っていないし、正しい部分も多いと思います。

しかしながら、これまでの豊洲市場移設に関する情報開示方法が適切でなかったことや、議会における決議プロセスが不透明であることなどを鑑みて、多くの人々が都がこれまでに開示してきた情報を信用し、納得するという「安心」を得られる状態にあるかと言えば、そういうことはできない状態であることは間違いないのではないでしょうか。

小池知事も先の地下室が見つかった際の記者会見では、「豊洲の環境が安全かどうかは専門家に改めて確認してもらうが、少なくとも情報の開示方法が誤っていたことは間違いないので、それを訂正したいと思う」という表現で述べていましたが、情報公開体制を整えて、都から発する情報についての信頼してもらえる体制を取ることは必要であると思います。

また、先の都知事選での都民の声とは、信頼でき、安心できる都にして欲しいというメッセージであったのではないでしょうか。

そう考えた時に、「いったん立ち止まって考える」ことには、損得勘定以上の意味があると言えるのではないかと思います。

100%全員の人が安心することを目指すことは難しと思うが、民主的に多くの人が安心できるくらいの組織体制と情報公開体制を構築することは理想主義なのでしょうか。

もしそれが理想主義的であると思われるのなら、「政治家や行政がそんな風になれるわけないじゃん」って言っている人たちよりは、理想主義的でありたい。

「没落する日本 強くなる日本人 ―弱者の条件・強者の条件」 小笠原 泰 (著) さくら舎

「東京・首都圏はこう変わる! 未来計画2020」 野村総合研究所 日本経済新聞出版社

大切なものは、ほしいものより先に来た

今を一生懸命生きること。

その積み重ねに未来がある。

そう思って、一生懸命に生きている。

だけど、それだけじゃ足りないものがある。

それはきっと、「志」に近いことだと思う。

自分にとって大切なこととは何かということ。

例えば、それが誰かの笑顔であるはずなのに、

「大切なこと」を見失ってしまうと、目の前の「やるべきこと」を

やるために、誰かの悲しみを作ってしまったりする。

思考の世界や理屈の世界、問題解決思考の世界では、きっとそれでいいんだろう。

頭で割り切って、

「それでいい」

「そういうもんだ」

「あいつだって悪い」

・・・

とか、あとから自分を納得させる「理屈」を並べればいいんだから。

でも、「志」を持つってことは、そんなに簡単じゃない。

苦しくても、どぶ底に這いつくばっても、

「大切なこと」を考え続け、

迷い続けるってことが志の一部で、その覚悟が志には必要。

この世の中で生きていくのに、確かなものなんて何もない。

答えを追い求めて、答えを持つこと自体は悪いことじゃない。

だけど、その状況の中で、簡単に目の前の答えに安住するのではなく、

「どうしたらいいのだろうか」と考えて、迷い続けること、それが「愛」で、

「愛」を貫く意志が「志」何だと思う。

そうして生きていけば、欲しいものを追い求めていると、大切なものはおのずと現れる。

大切なものは、ほしいものより先に来た

参考

HUNTER×HUNTER モノクロ版 32

・芳村思風先生メルマガ

問題解決でなく、解決構築へ(まとめ)

本シリーズ企画「問題解決でなく、解決構築へ」は、問題解決思考だけでは解決が困難な現在における様々な問題に対する代替となりうる「解決構築思考」について理解を深めることを目的に、以下の著書の要点をまとめていきます。

なお、この連載で取り上げるのはあくまで要点のみであり、原書にはその事例やより詳しい説明が書かれているため、正確な理解のためには原書をご確認いただきますようお願いいたします。

※本シリーズ企画の目的についての詳細はVol.0をご覧ください。

 

解決思考アプローチの第一人者であるピーター・ディヤングPeter De Jongとインスー・キム・バーグInsoo Kim Berg著の「解決のための面接技法 ソリューション・フォーカストアプローチの手引き第4版 Interviewing for Solutions 4th Edition

 

 

最終章 解決構築のまとめ~

 

これまで、「解決構築思考」について上記著書の内容を中心に、要点をまとめてきました。

 

本書は第8章以降、2回目以降の面接、不本意な状況のクライアントとどう話すか、危機状況での面接、科学的根拠、援助職の価値観と人間の多様性、相談機関・グループ・組織での実践、適用例、解決構築過程の理論的な意味について言及が続きますが、解決構築に関しての一定の要点をまとめることができたため、一旦本ブログではまとめをしておきたいと思います。

 

スーツ

 

 

【解決構築面接のための要点メモ】

・初めに面接の流れを説明する(話を聞く、休憩を取ってその後にフィードバックを与えることを伝える)

・問題の説明を聞く(今日私がどんなふうにあなたの役に立つことを望んでいましたか、こんなことで困っていますか、どんなことを試してみましたか)

・目標づくり(ここで話をしてよかったとここで言えるためには、今日の面接の結果として何が変わらなければならないでしょうか。)

・ミラクルクエスチョン

・解決に向けて進む(スケーリングクエスチョン)

・結び

 

【ウェルフォームド・ゴールを作るための質問メモ】

援助者が考えるべき前提

奇跡が起きたり、問題が解決したりしたら何が違ってくるとクライアントが考えているのかを探し出そうとしていることを覚えておいてほしい。また、クライアントにとってウェルフォームド・ゴールを作り上げていくことは大変な作業であることを忘れず、忍耐強く、粘り強く質問を続けること。

 

<ミラクルクエスチョン>

今晩あなたが眠っている間に奇跡が起こるとします。今日あなたがここへ相談に来られた問題が解決するという奇跡が起きるのです。ただ、あなたは眠っているので、問題が解決したことを知りません。明日の朝あなたは、どんな違いから奇跡がおこったことに気づくでしょうか。他に何人気づくでしょうか。

 

<ウェルフォームドゴールの特長を増幅させる>

・小さい事を、きちんと相手に返す

・具体的で、行動的で、明確なものに焦点を当てる。

・奇跡が起こると問題が起こることの代わりに、大切な人あるいはあなた自身は何をしているでしょうか。

・重要な他者の認識に関して認識を膨らませる。(あなたの子どもはあなたのどんな違いに気づくでしょうか)

 

<そのほかのヒント>

・クライアントは「わからない」といったら

→わかったとしたら、どういうでしょうか?

→(クライアントにとって大事な人)はどう言うでしょうか?

→難しい質問をしています。ゆっくり時間をかけてください

 

【フィードバックを創るための計画書】

・クライアントは何を求めているか、それは何か

・ウェルフォームドゴールはあるか、それは何か

・例外はあるか、どんな例外か

・ある場合には、それは意図的な例外化、偶然の例外か

・コンプリメント→ブリッジ→提案

 

【初回面接の計画書】

クライアント名:     年月日:

・クライアントの心配/経過

(どのようにお役にたてるでしょうか。どんなことから●●が問題なのでしょうか。どんなことを試してみましたか。何が役に立ちましたか)

 

・ゴールの設定

(帰るとき何が違っていてほしいですか。ミラクルクエスチョンについての対話)

 

・例外

(その問題が起こらなかったとき、またはそれほど深刻でなかったときがありますか。それはいつですか。どうやってそうなりましたか。)

 

・スケーリング

(どのくらいミラクルに近づいているか、面接前の変化、取り組みへの意欲、自身)

 

・コンプリメント

 

・ブリッジ

 

・提案

 

・次回について

 

【例外探し】

①例外を探す

②例外を増幅する(最近そうしたことは少しでも起こったことはありませんでしたか?その時のことをもっと話してください。)

③強化する(非言語的、非言語的に)

④どうやって例外が起こったのかを探る(それが起こるためにあなたは何をしたのですか?どうやって思いついたのですか?あなたはいつもこうした難しい状況で、このようにどうすべきか思いつくんですか?)

⑤例外を将来に起こす(来週にその例外が起こる可能性は、1から10の可能性ですとどのくらいありますか。それが起こるためにはどうしたらよいでしょうか?)

 

【コーピング・クエスチョン】

・どうやって今朝、ベッドから起きることができたのですか。

・最後に食事をしたのは何時間前ですか。

・最後にいくらか眠れたのはいつですか。

・○○が役に立つだろうとどうやって分かったのですか。

・○○に援助してもらうために、あなたは何をしましたか。

 

 

 

最後に

本連載では、世の中には問題解決思考で溢れているため、どちらかというとあえて問題解決思考についてやや批判的に書いてきました。

ただ、私としては問題解決思考が有益であると理解しています。

そのため、改めてはっきり書くと、問題解決思考は有効ですし、有益です。

 

ただ、モノを扱うのと同じように、対「人間の心」と向き合う際に、それだけでは理解し得ない、解決し得ないことがあるということについて表現をしたかったと同時に、その具体的な方法であるSFA(ソリューション・フォーカスド・アプローチ)について紹介をすることによって、解決構築思考を少しでも世に広げていきたいという思いをもち、本連載を始めました。

 

 

そういった思いもあり、本連載では問題解決思考と解決構築思考の対比から始めましたので、締めも最近SFAの研修で習った対比の言葉を綴りたいと思います。

 

 

問題解決思考では、クライアントを見ているようで、実は理論を見ています。

 

クライアントの症状をみて、理論と照らしながら、アセスメント(評価)を行い、適切な処置方法について想いをめぐらせているのです。この辺りは、第一章でも具体例を交えながら述べました。

 

スーツ屋さんで例えると、問題解決思考の援助者はクライアントにスーツを着せます。着せてみると右手の袖だけ短いことが分かります。

 

そこでスーツ屋はお客に対してこう伝えます。

 

「右腕を少し曲げてみてください。そうすれば袖はぴったりと合いますよ」

 

今度はスーツ屋はお客にズボンを履かせます。

すると左足だけ長いことが分かります。すると

 

「左足を上げ手管際。そうすれば裾はぴったりとした長さになりますよ」

 

これで両手両足の長さはお客にぴったりと合ったので、買ってもらおう。

 

問題解決アプローチで、理論をクライアントに合わせようとする行為は、言ってみればこのスーツ屋さんのような行為です。

 

 

第3章の最後で述べた通り、一定レベルのカウンセラーであれば、カウンセラー中心の質問(カウンセラーが聞きたい事を聴く)ですが、クライアント中心(クライアントが話したいことを聴く)ができます。

 

とはいえ、我々援助者は、常にクライアントの言葉を選び出して、クライアントに対して言語的・非言語的に反射をしています。

 

その事実に謙虚に向き合い、クライアント自身のチカらを信じて、理論ではなくクライアント自身の持っている言葉からクライアントの次の一歩となる具体的なゴールを一緒に見つけること。

 

そうした姿勢で相手の心に臨む意義について、少しでも感じていただけたらとても嬉しいです。

問題解決でなく、解決構築へVol.7(フィードバック)

本シリーズ企画「問題解決でなく、解決構築へ」は、問題解決思考だけでは解決が困難な現在における様々な問題に対する代替となりうる「解決構築思考」について理解を深めることを目的に、以下の著書の要点をまとめていきます。

なお、この連載で取り上げるのはあくまで要点のみであり、原書にはその事例やより詳しい説明が書かれているため、正確な理解のためには原書をご確認いただきますようお願いいたします。

※本シリーズ企画の目的についての詳細はVol.0をご覧ください。

 

解決思考アプローチの第一人者であるピーター・ディヤングPeter De Jongとインスー・キム・バーグInsoo Kim Berg著の「解決のための面接技法 ソリューション・フォーカストアプローチの手引き第4版 Interviewing for Solutions 4th Edition

 

 

第7章 クライアントへのフィードバックをつくる

 

これまでの章で、解決思考による面接法の構成要素について述べてきました。

・クライアントとの生産的な関係づくり

・クライアントの願望の尊重

・ウェブフォームド・ゴールを作るための面接法

・例外探しの方法

 

ゴール

 

 

 

本章では、面接で集めた情報を使って、クライアントの解決構築に役立つフィードバックを組み立てる方法について検討します。

それに当たり、ここでも問題解決アプローチにおける介入との比較から考えていきます。

 

問題解決アプローチにおける介入では、臨床家(カウンセラー)はどんな行動がそのクライアントに最も有益かを決定するためにクライアントの問題の性質と重大さについてのアセスメントから得られた情報を用います。

 

ひとたび介入が決定されると、臨床家は自分でその行動をとるか、クライアントがその行動をとるよう推奨します。そして、これらの行動や介入がクライアントに肯定的な変化を生み出すと考えられています。介入は、専門的なアセスメント情報と専門的理論に基づいて臨床家によって構成されるので、問題解決アプローチでは臨床家が変化の主体であるといえます。

(Pincus & Minahan, 1973)

 

この視点でクライアントに臨む事に対する反論はVol.4でも述べましたが、改めてその要約を述べます。

問題解決思考では、専門家がクライアントにとって最善のことを知っているという考えを前提としているため、クライアントに対し「協力的である」「抵抗する」と分類し、クライアントの抵抗という考えを使えば、悪いのは進歩しないクライアントであり、援助者は責任を負わずに済むと考えてしまえます。

 

実際、広い意味での対人援助職方々とお話ししていると、表向きは立派なことを仰っていても、突き詰めると結局は「これだけやっても無理なら」といった言葉と共に支援を受ける側の適正を言い訳のように罵る援助者と呼ばれている人をカウンセラーになってみて、そして解決思考を学んでみて多く見えるようになっていました。

(問題思考に染まっていたかつての私は、その違和感には気づけていませんでした)

 

 

対照的に、解決思考では面接終了時のフィードバックがその他の要素よりも重要だとは考えません。

むしろクライアントが自分の大切な目標を実現するために、自らの長所を生かして解決をつくっていくための一つの手段だと捉えます。

 

まさに、クライアント(臨床家ではなく)が変化の主体なのです。

 

面接の中でクライアントは自分と周りの状況について述べますが、面接終了時のフィードバックは、その情報ノア中からクライアントの解決構築に最も有益だろうと思われる部分を整理して強調するだけです。

 

 

ここからは、具体的なフィードバックの手順とフィードバックの構成をお伝えしていきます。

 

<手順>

1.休憩を取る

フィードバック前に5~10分の休憩を取ります。休憩中は面接室にクライアントを残すかして、一人になってもらい面接を振り返る時間を取り、逆に臨床家はその間にフィードバックの構成を考えます。

 

2.フィードバックをする

具体的方法は後述します

 

3.次の面接を決める

「次回の面接はいつがいいか」と尋ね、同時に「今回以降の進歩について話してください」という言葉で締めくくります。

 

 

<フィードバックの構成>

【コンプリメント】

コンプリメントはクライアントを肯定することです。

第一に、コンプリメントはクライアントにとって重要なものを肯定します。

第二に、コンプリメントはクライアントの成功と長所を肯定します。

コンプリメントした後のクライアントの反応をよく観察します。もしコンプリメントが的を得ていれば、うなずいたり「ありがとう」と言ったります。そうでなければ、次回の面接までに今までの情報を評価しなおさなければなりません。

 

【ブリッジ】

フィードバックで最初に伝えるコンプリメントと最後の伝える提案とを結びつける部分がブリッジです。

ブリッジは提案の理論的根拠となります。

ブリッジの内容としては、通常はクライアントの目標、例外、調書、考え方が使われます。

ブリッジは「あなたの仰る通り・・・」で始まるのが一般的です。

 

【提案】

提案は、観察提案と行動提案の二つに大きく分類されます(de Shazer, 1988)。

観察提案では、面接で得られた情報をもとに、臨床家がクライアントに、生活の中で解決構築に役立ちそうな特定の側面に注目することを提案します。

 

行動提案とは、臨床家がクライアントに実際に何かをするように求めるモノです。

 

 

<提案の決定>

【ウェルフォームド・ゴールはあるか】

クライアントのウェルフォームド・ゴール作りがどこまで進んでいるかを考えることが重要です。

クライアントは生活に起こってほしい違いをはっきりと述べたか。それを具体的に、行動の形で説明できたか。また、問題の不在ではなく望ましい事の存在という形で、最終的な結果ではなく最初のステップで定義できているか。他者との関係や状況を表す言葉で説明できているかといった視点で、整理できているかを確認します。

 

 

【クライアントの状況ごとの対応の決定】

この項目については本書にも記載があるが、日本における解決思考の第一人者である、黒沢幸子先生と故森俊夫先生の著書「森・黒沢のワークショップで学ぶ解決志向ブリーフセラピー」の分類法が分かりやすいため、そちらを参照します。

 

 

・ビジタータイプ

「こういうことで困っている」や「こうしたい」といった表明をしない=ウェルフォームド・ゴールがはっきりするまでの関係に至っていない場合の対応

①褒める、ねぎらう(=コンプリメント)

②クライアントの話しに載って、ほめる(雑談に打ち興じる)

③返す(「また、顔出してね」)

※セラピストから問題を提起することはしない

 

・コンプレイナントタイプ

「問題は自分にはなく、周りにある」「解決のためには、周りが変化しなくちゃいけない」という形で訴えている場合の対応

①褒める、ねぎらう(=コンプリメント)

②観察力をほめる

↓ブリッジ

③他者・状況の「例外」探しの観察課題を出す

 

・カスタマータイプ

「こういうことで困っている」や「こうしたい」といった表明をしている=ウェルフォームド・ゴールがはっきりしている場合の対応

①褒める、ねぎらう(=コンプリメント)

②ゴールについての話し合いや解決に向けての話し合いをした上で、クライアントの言葉を使いながら(ブリッジ)・・・

③行動課題を出す

 

【上記3分類をする際の注意点】

①評価尺度・発達尺度として使わない

②人格査定に使わない

③迷ったら、より初期の方に合わせる(カスタマータイプよりコンプレイナント、コンプレイナントよりカスタマータイプへ)