井川ヒロトのブログ

志について探求を続ける 井川 ヒロト が、ニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオ)などについて思った事を綴ります。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

非正規雇用者の割合下がったけど、「夢は正社員」ってどうよ?

年末にやりたいこと結構あったのですが、年賀状やら大掃除やらで、大忙しでできない・・・

 

あれもしたい、これもしたい、もっとしたい、もっともっとしたい(by THE BULEHEARTS)なお年頃の井川です。

 

さて、今日は、昨日見た大学卒業者状況の続きで、その割合を見ていきたいと思います。

卒業者の割合

(出典:文部科学省平成26年度学校基本調査(確定値)」)

 

【読み取れること】

非正規社員の割合が下がった

就職者394,768人のうち、正規の職員等でないものは22,259人であり、卒業者に占める割合は3.9%である。

これは前年度の4.1%から0.2%下がっています。

 

・アルバイトや進学も就職もしていない者の割合も下がった

「一時的な仕事に就いた者(要は、パート、アルバイトなどの臨時的な収入を目的とした仕事に就いた者)の割合は2.6%であり、前年の3.0%から0.4%下がりました。

また、左記以外の者(卒業後、進学でも就職でもないことが明らかな者)は12.1%であり、前年の13.6%から1.5%下がりました。

 

 

もし、民主党が掲げた政策のように、「夢は正社員」の人がいたとしたら、良い時代になってきているのかもしれません。

 

もちろん、現在非正規雇用で働いていて、正社員になることを希望している人がいることは分かっているのですが、それでもこの「夢は正社員」には違和感を覚えます。(今更感、満載ですが・・・)

 

 

仕事は自己実現の場であるべきだし、雇用形態もそのための選択の一つであるべきで、「正社員が必ず正」って価値観はなんかすっと入ってきません。

 

 

恐らくですが、「夢は正社員」って、野党第一党が掲げてしまうこの状況は、世界的に見たら特殊な日本の雇用契約が影響しているのかなと思います。

 

 

欧米や、アジアでも、基本的に雇用契約は「就職」です。

「はっ何言ってんの?」って感じですが、読んで字のごとくで、職業というかある職種に与えられた職責を果たし、その対価としてサラリーを支払うという雇用契約ということです。

 

 

一方、日本の雇用契約は一般的には「就社」です。

総合職で採用され、基本的には会社の都合で業務を割り当てられ、賃金体系、出勤日数や休暇日数、手当てや福利厚生などの就業規則の条件を被雇用者は確認をして、会社と雇用契約を結びます。

 

 

日本型の良い面は、総合職で雇用されているため、従業員にとっては解雇がされにくいということです。

日本以外の国の雇用契約では、例えば雇用契約を結んでいる職種の事業が縮小したり、ある地域のマーケットから撤退をしたりすれば、会社がその社員を雇用する目的であった仕事がなくなるため、解雇の対象となります。

 

 

しかし、日本型の雇用契約では、総合職採用のため、ある事業やある地区の仕事がなくなったとしても、他の部門や他の地区へ異動をさせて働かせる権利が企業側にあるため、それだけでは労基法の「解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を乱用したものとして無効とする」の定めに該当し、解雇をすることができないのです。

 

 

もちろん個人的にも急に解雇されるリスクを抱えることは怖いなとも思いますが、ただ、日本型の雇用契約では自律的なキャリア形成の意識を個人が持ちづらくなってしまうというリスクがあります。

 

 

終身雇用や年功序列が維持できていた時代はそれでもまだ良かったのかもしれませんが、NECソニー、シャープなどのかつて超優良企業と言われていた会社で1万人を超える人員整理が行われるこの時代には、会社のみに個人のキャリア形成を任せる価値観は合っていないと思います。

 

 

自分の事だけ考えろといっているのではありません。

もちろん会社が掲げる目標を社員で共有し、それに向かって努力することは大切です。

 

 

ただし、「夢は正社員」という発想には、自律的なキャリア形成という意識の乏しさを感じ、この変化の激しい時代には、安定を求めて正社員になろうと考えたはずが、結局は安定を得られない状況に陥る危険があると思います。

 

 

変化の波が次から次へ来ているにもかかわらず、一生懸命ビート版を抱きしめてその場にとどまろうとしている様な。

 

その波にどうやって乗ろうか考えた方が、逆に楽に楽しく生きられる時代になっているのだと思います。

 

 

自分のキャリアは自分で考えて生きる。

そんな個人を企業も応援し、より成長した個人が集まり、その組織が成長していく。

 

 

そんな懐の広さを社会が共有できれば、もっともっと可能性が広がる社会になるって思います。

 

 

ではでは今日はここまでです。

ではでは。

 

 

 

 

キャリアショック どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるか? (ソフトバンク文庫) 高橋 俊介 (著)

 

 

「Now You See It: How Technology and Brain Science Will Transform Schools and Business for the 21st Century」 Cathy N. Davidson (著)   Penguin Books

 

 

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江 貴文 (著)  ダイヤモンド社