池上彰のやさしい経済学 第十二回 君は年金をもらえるか~消費税をどうする?
昨年BSジャパンで池上彰のやさしい経済学という番組が放送された。
非常に興味深かったが、残念ながら私の家ではBSが観られないため、1回あたり2時間(講義は90分)、14回連載の番組だが、実家で録画してもらった。
それをやっと観ることができたため、その講義メモを書いておきたい。
池上 彰「この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義(文藝春秋)」
以下、講義メモ。
池上彰のやさしい経済学 第12回 君は年金をもらえるか~消費税をどうする?
保険とは何か?
何かあった時の備え。
損害保険は、もともとは船が沈んでしまった時の損害の備え。だから損害保険会社には〇〇海上保険という名前が多い。
大数の法則とは、大勢の人が参加するほど、全体の平均に近づく法則。
国民皆保険とは、国民全員が保険に入る義務があること。
年金制度とは、長生きへのリスクに備える保険の制度である。(若くして働けなくなる障害を抱えてしまうことのリスクに備える障害年金というのもある)
田中角栄総理の時代に、年金制度を変えた。積み立て方式という積み立てたお金を年金としてもらう方式から、若い世代が納めている年金を今のお年寄りに払うという賦課(ふか)方式に変わった。(厚生労働省は「世代間の助け合い」と呼んだ)
<年金制度の問題点>
・共済保険ではなく、厚生保険の保険料を使って、グリーンピアという施設を作り天下り先を作った。
・保険料金を増やすために株式投資をし、失敗。損失をした。
・少子高齢化によって収入が減った。
↓
年金破たんの危機
・年金手帳がもともとは共済保険、厚生保険、国民年金でばらばらだった。その手帳を統一にした。年金手帳をそろえる際に、名前の読み方を担当者がカタカナにする際に漢字の名前の読み方を確認せずに適当に入力をしたため(例えば「裕子」は「ゆうこ」とも「ひろこ」とも読める)、年金を納めたのにおさめたことになっていない人がたくさん出た。
→消えた年金問題
2007年から歴代の総理が解決をすると明言しているが、2013年の収束の目標もめどが立っていない。
人口ボーナスと人口オーナス(主に)
15歳~65歳までの人の事を生産年齢人口という
生産年齢人口が多いと人口が全体の利益(ボーナス)になる。逆に生産年齢人口が少なくなり、高齢者が多くなると、人口が重荷になるそれを人口オーナスという。
高齢化社会(人口オーナス)では年金を税金でささえる仕組みが必要
直接税:所得税など
間接税:消費税(消費者が負担し、企業が代わりに支払う)
日本は直接税が6割、消費税が4割。しかし世界標準はその直間比率が5対5。日本ではこの直間比率を5対5にすべきではないかという議論がある。
(直間比率の見直しとは、すなわち消費税を上げるかどうかの議論とほぼ同じ)
直接税は景気が悪くなると、税収にすぐ響く。しかし間接税(消費税)は景気が悪くなってもすぐに消費を抑えるわけではないため、景気に左右されにくい。
逆累進性:消費税は、収入の低い人の負担が増えてしまう。(累進性は収入の多い人の負担が増える)
世界の消費税の税率は、スウェーデン25%(食料品は12%)、ノルウェー25%、デンマーク25%、ドイツ19%、韓国10%、オーストラリア10%、中国17%
デンマーク消費税25%は高くない?医療、教育、年金が全て無料だから。その代り投票率が非常に高い。投票に行って、税金の使い道をきちんと監視しようとする国民性があるから。
北欧諸国は高福祉高負担
日本は中福祉低負担
米国は低福祉低負担