イガワヒロトのブログ

志について探求を続けるイガワヒロトが、いつまでも青臭い心(ブルーハーツ)でニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオなど)の批評や日常の思った事を青っちろい言葉で記事にします。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

韓国大卒失業者50万人からの示唆

韓国で、大卒失業者が初めて50万人を超えたそうです。

進学率が50%を超え、高まってきている日本において、進学率70%の韓国は今後の日本を考える上で参考になると思います。

■韓国経済新聞/中央日報日本語版「【社説】大卒失業者50万人…大学改革しなければ改革される=韓国

大卒者が60万人以上あふれるが、良質の働き口は不足している。韓国経済研究院によると、4年後の2019年は良質の雇用が265万件であるのに対し、良質の労働力は528万人と倍近い差がある。経済が画期的に回復しない限り、大学が失業者養成所になるしかない構造だ。80%を上回っていた大学進学率が70%線まで落ちたのも当然の帰結だ。大学が成功どころか就職も保証するわけではないため、あえて高い費用を支払って行く理由がないということだ。

この韓国の現状は、日本に対し2つの示唆があると思います。

1つ目は、大学は社会で活躍できる人材の育成がさらに求められてくるということ。

日本においても人口減少に伴い、内需減少に伴い、雇用も減ってきますので、よりチカラのある学生を送り出さなければ、卒業生の就職先がなくなってくるということです。

学生の視点から見れば、単に大学にいくだけではなく、きちんと大学で成長して付加価値を生み出せる人材にならなければ、就職がしにくくなるということになります。

2つ目は、大学のあり方についてです。

進学率が50%を超えた日本ですが、このまま韓国と同じように70%台やそれ以上を目指すべきかという問題です。

平成25年度から、「職業実践専門課程」という文部科学省の制度が実施されました。

従来、専門学校は都道府県が認定していたいましたが、必要要件を満たし、都道府県が文部科学省に推薦して認められた場合は、文部科学省がその教育課程を認定する制度です。

つまり、文部科学省の認定」という意味では、大学と同じお墨付きを得た教育を行う機関であるわけです。

職業実践専門課程の指定を受けた専門学校の講座は、お墨付きを得られるだけでなく、厚生労働省が行っている、教育訓練給付制度の指定を受けられるなどの優遇があります。

こうした動きを見ると、大学で育成すべき人材と、専門学校で育成すべき人材の分担が進んでいくのかもしれません。

ドイツでは、マイスター制度といって、国が一定のレベルに達した技術者を承認することで、社会的な信用を保証する仕組みがあります。

日本では一般的には専門学校卒よりも大卒の方が雇用条件や採用基準において優遇される傾向がありますが、今後はドイツのように専門学校などで専門技術を学び、一定のレベルの技術を身につけた人材の評価が高まることで、専門学校など専門技術を身につける教育機関の役割の見直しが進むのではないかと、これらの動きを見ていて思いました。

ドイツでは10歳の段階で、いわゆる大学進学を目指すギムナジウムに進むか、もしくは専門技術を学ぶ専門学校へ進むかを選択しなければならないそうです。

そう考えると、もし上記で予想したように、日本における専門学校が担う人材育成の役割が大きくなった場合も、高校卒業時の16歳までにどうするかを考えればよいわけで、ドイツに比べたら猶予はあるのかもしれません。

(とはいえ、もし実際に行うことになったら反発は大きいと思いますが)

経済のグローバル化が進む中、日本的慣行である新卒一括採用や総合職採用が保たれなくなる時代がいつくるかも分かりません。

そうなると、韓国や欧米諸国のように、未経験者の失業率は一気に高まることになってしまいますので、時代の流れも追いながら、教育のあるべき姿を考えていく視点がますます重要になってきていると感じています。

ではでは今日はこの辺で。

ではでは。

「日韓の未来をつくる (韓国知識人との対話 Ⅰ)(慶應義塾大学出版会)」 若宮 啓文 (著)

「ドイツ人の価値観―ライフスタイルと考え方(三修社)」 岩村 偉史 (著)