井川ヒロトのブログ

志について探求を続ける 井川 ヒロト が、ニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオ)などについて思った事を綴ります。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

「数字」に支配されるな

当たり前ですが、「数字」というのは、物事を理解するために用います。

suuji

だから「数字」は手段なわけですが、僕等は数字に使われたり、頭ん中が数字に支配されたりすることが多くあるなと思ったので、メモっときます。

数字に使われている状態の例で言えば、目標数字は、ある状態になるための指標の一つとして「数字」を用いているのに、いつしか目的よりも「数字」を達成することを優先させてしまいます。

数字に支配されている状態の例で言えば、自殺者数を語るときの数字の捉え方です。

平成26年度の自殺者数は25427人だったそうです。(内閣府自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」

自殺者数

こういう数字を見るとき私達は、その膨大な数字を前に「1年間で約2万5千人もの多くの方が自殺した」と一つの事象として数字を捉えてしまいがちです。そして、そう捉えることで、それ以上を考えない、思考停止を数字によってさせられてしまいます。

ただ実際には、自殺をしなければならなくなった一人の方の苦渋の選択。その一つの選択が一つ一つ合わさって、25427人の自殺者数となっているってことにまで、十分に想いを馳せられていなかったのではないかと。

数字はとても便利なものです。

だからこそ私は、数字に使われるのではなく、使う人間でありたいです。

野口 悠紀雄 (著)「数字は武器になる: 数の「超」活用法(新潮社)」