イガワヒロトのブログ

志について探求を続けるイガワヒロトが、いつまでも青臭い心(ブルーハーツ)でニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオなど)の批評や日常の思った事を青っちろい言葉で記事にします。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

ジブリ『かぐや姫の物語』がアカデミー賞ノミネート決定!

すごく嬉しいニュースが飛び込んできました!!

私が近年で最も感動し、泣いた映画「かぐや姫の物語」(スタジオジブリ 監督:高畑勲)が第87回米アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされたそうです。

かぐや姫の物語 高畑勲 (監督)  音楽:久石譲 出演:朝倉あき 高良健吾 地井武男 宮本信子 上川隆也 伊集院光ほか

■cinemacafe.net ジブリ『かぐや姫の物語』アカデミー賞ノミネート決定! 宮崎&高畑で2年連続

2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリ高畑勲・監督作『かぐや姫の物語』。公開当時、その匠の技で「国宝級」とまで称された本作が、1月15日(日本時間)、第87回米アカデミー賞のノミネート作品発表が米ロサンゼルスで行われ、「長編アニメーション部門」でのノミネートが決定した。

かぐや姫の物語

この作品は、タイトル通り日本最古の物語と言われる「竹取物語」をほぼ忠実に追っています。

だからストーリー性についての斬新さがあるかと言われれば特にありません。

ではこの作品の魅力は何なのか。

竹取物語という作品に真正面から取り組んだこと、あるいはプレスコという声優の声を先に収録し、それに絵をつけていく技法を採用したこと(絵に声をつけていく方法をアフレコという)、久石譲さんの音楽など様々な評価を多くの方々がされていますが、私が一点挙げるとすれば、それはなんと言っても作画の表現方法です。

一目、絵を見ていただければ分かりますが、この作品の作画は従来のセルアニメーションとは全く異なります。

日本画のような画法のタッチで描かれています。

日本画の画法とはすなわち「描かない」絵です。

例えば、空、背景の壁、草木など白いままの部分が多くあります。

しかも本当に良いバランスで「描かない」のです。

良いバランスとは、人間のイマジネーションでその画かれていない部分を無限に埋めることができるあんばいだということです。

従来の日本アニメや、3D映像や繊細な表情、岩、雪の質感などでリアリティを追求しているディズニーアニメとは全く逆のアプローチで作られた作品です。

すなわち、ストーリー性ではなく、表現方法で観客のイマジネーションや感覚を刺激し、作品の中に引き込むアプローチで作品が作られているということです。

背景に限らず人物の画き方も、ディズニーアニメに比べたらかなり抽象的な画き方です。

ただ、それは手を抜いているのではなく、見る人にその表情をより鮮明に想像させる「間」を作っているのです。

だから観客はこの作品に引き込まれますし、引き込まれるから、「最後はかぐや姫は月に帰る」という結末の分かっているストーリーでも感動できるのです。

とある音楽家の方が言った僕の大好きな言葉に「ドットの荒いピーチ姫を可愛いと思える想像力があったはずだろ!」ってのがあります。

3DやCG作品が一般的になり、リアルな映像作品に慣れてしまっていますが、人間には日本人が昔から画いてきた日本画や、5・7・5の俳句を詠むだけで世界を感じる想像力、イマジネーション力が元来備わっているんです。

そういった人間が持っているチカラを信じ、人間の素晴らしさと愚かさ、そして自然の素晴らしさに真正面からぶつかっていって出来たのがこの作品だと思います。

ちなみに、私が初めてこの作品を見たとき、私はエンドロールが終わった後も10分ほど席を立てませんでした。

生まれたての赤ん坊のように、むせかえって泣いていたからです。

やっと少し落ち着いて外に出て、それでも溢れてくる涙がこぼれないように上を向いていたら、何の因果かちょうど満月の日で、満月を見て街中で大の男が泣きながら動けなくなるというまあなんというか恥ずかしいやらこんな作品に出会えた嬉しさやら、作品の切なさやら、いろんなほんきの感情が入り混じった思い出のある作品です。

もしまだ観たことのない人は、お勧めですのでこの機会に是非観てみてください!!!

ではでは今日はこのへんで。

ではでは。

高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~ スタジオジブリ ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社