イガワヒロトのブログ

志について探求を続けるイガワヒロトが、いつまでも青臭い心(ブルーハーツ)でニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオなど)の批評や日常の思った事を青っちろい言葉で記事にします。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

ワークライフバランス雑感

キャリアカウンセラーの資格を取ってから、キャリア関連についての情報へのアクセスがしやすくなった。

キャリアカウンセラー仲間ができるし、研究会や研修への参加ができるようになるからだ。

その中で、よく聞くワークライフバランスについて、雑感を少し。

ワークライフバランス

図「Work-Life Balance」

ワークライフバランス」って言葉を、正しく理解して、使えている人は少ない。

ってか、こんな使われ方してるんだったら、悪影響の方が大きいので、こんな言葉ない方が良いとさえ思う。

つい先日も、キャリアカウンセラーの会合で、ある方の研究の中間発表があって、そのテーマがワークライフバランスだった。

その資料によると、ワークライフバランスとは、

・「まず企業ありき」で、

・「仕事と自分との折り合い」で

・「適切な運用によって企業に利益をもたらすもの」

なのだそうだ。

図にすると、図「Work-Life Balance」の左図の感じ。

ってか、まず「企業ありき」だと、本当はWorkの方が大きかったりするべきなのかもしれない・・・

私の所感をまずはっきりと述べると、上記の認識は明らかな間違いである。

物事を正しく捉えれば、その理由は分かるはずだ。

図「Work-Life Balance」の右図の通り、まず、人生があって、その中の要素の一つが仕事であるはずだ。

なのに、「Work-Life Balance」という字面だけを捉えて、仕事と人生を平気で並列に捉えてしまう。

しかもWorkが先に来ているものだから、あろうことか、人生よりも「まず企業ありき」なんて捉え方で、企業が利益を上げるための手段の一つとしか捉えられなくなってしまう。

図で捉えれば、その認識が誤っていることは一目瞭然なのに。

左図の認識でいることの悪影響はなにかというと、左図では仕事とのバランスを取ることがキャリア開発の全てになってしまい、仕事ありきでキャリアを考えるため、自立的なキャリア開発の視点が持てなくなってしまう点である。

つまり、結局は企業の都合で個人の人生(キャリア)を決定付けるという発想から抜け出せていない。

確かに、企業が個人を都合よく利用して、利益を上げるための手段に「ワークライフバランス」という言葉を使うのであれば、この認識は便利だ。

だけれど、イノベーションを生み出さなければ生き残れない現代にあって、社員の自立的なキャリア形成を許容できなければ、上辺だけのワークライフバランスに永続性(ゴーイングコンサーン)はない。短く、浅い成功体験を得られるだけだ。

左図は高度経済成長期のキャリア形成である。

その旧態依然とした認識を、無理くりワークライフバランスという言葉にまで当てはめてしまっているので、この様な理解が広まっているのだと思う。

自分の人生の様々な役割のうちの一つが仕事である。

人生の中で仕事をどのように位置づけるか、あるいは、人生の様々な役割を担っていく中で得られる経験を、どのように仕事に活かしていくのか、それが本来ワークライフバランスという言葉から我々が得なければならない教訓であるはずである。

これは、ダイバーシティの考え方にも繋がってくるが、結局は個人が自立的なキャリア形成を行っていくことで生まれる多様性を、どれだけマネジメントできるのかにかかっているのだと思う。

日本のマネジメント力がどれだけあるのか。

なければ、旧態依然とした、単一のキャリアを望み、組織都合のキャリアを押し付ける。

そうすると、単一だから、カイゼンはできても、イノベーションは生まれない。

だから、ダイバーシティの進んだ他国にイノベーション力で負ける。

結局は、ドラッカーの提唱した「マネジメント」の力をどれだけ持てているのかに、ワークライフバランスダイバーシティの推進、ひいては、イノベーションや国際競争力の向上はかかっているのだと思う。

マネジメントって言葉は、そう考えると、「度量」ってことに近い気がする。

シャンクスのような度量力が、結局は組織としてイノベーションを生み出す土壌を創るのだと思うから。

フィギュアーツZERO シャンクス(頂上決戦Ver.) バンダイ

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則(ピーター・F・ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)、ダイヤモンド社

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(岩崎 夏海著、ダイヤモンド社