井川ヒロトのブログ

志について探求を続ける 井川 ヒロト が、ニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオ)などについて思った事を綴ります。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

小保方晴子さんの記者会見を受けて

脳科学者の茂木健一郎さんが動画でお話しされていることに、ほぼ同意見です。

 

 

今回の報道を受けて、Facebook上でのやり取りも踏まえて考えることがあったので、まとめておきたい。

 

***茂木さんの動画でのコメント要約***

・ご本人の認識ではSTAPは存在しているということが分かった会見であったし、それが重要。

・だとすれば、これ以上小保方さんのことについて追及したり、報道することに意味はない。

・科学の研究の歴史をみると、これ以降重要なことは、ある現象が第3者によって、独立に再現できるかどうかの一点であるから。

・いわゆる社会面的な小保方さんの個人的な資質に関する面白おかしくする報道は意味がない。

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上記動画紹介ツイートに対する、知人のSさんのコメント(原文ママ

「俺もこの意見に同意だな。小保方さんが論文を正しく書けなかったのは、早稲田大学のせいで、彼女のせいじゃないと思うんだ。俺の卒業大学は、phdを取るのに、論文だけで、5浪っていう人を何度も見ているしさ☆ で、彼女は、グラビアアイドルじゃないわけだから、私生活なんて、本来、報道するべきじゃないよね。誰か、高校の時のバカな男の自慢話で「俺は、小保方に恋されてうざかった。。。」なんてホザいている便乗人気気取り野郎がいたけど、そこが本質ではなくて、「STAP」が実在し、それを皆が新しい医療に役に立てさせることができるかが問題なんだと思う。むしろ、素人の俺からしてみれば、正しい論文を書けるヤツよりも、「STAP」を実際に開発したヤツの方が100万倍すごい人だと思う。」

 

 

茂木さんやSさんが言うとおり、本質ではない部分ばかり報じる報道と、それをうすら笑う人の顔が酷く不快に感じる。

 

 

研究ノートを公表しないから、ウソついてる、怪しい」って言ってる人もいるけれど、ちょっとは考えようよって思う。

 

もし彼女が自分の保身だけ考えたら公表したかもしれないけれど、もしかしたら国家財産になるかもしれない企業秘密(知的財産)を、身を守るためだけに出せるはずがない。

 

 

今、STAPに関する情報を公開せよと言うことは、理化学研究所、ひいては日本がたくさんの人材や資金(税金)といった資源をつぎ込んで発見した資産を、無償で世界にばらまけと言っているようなものだ。

 

 

それに、日本はこういう出る杭は叩く腐った風習をそろそろ改めないと、本当に沈んでいってしまうと思う。

Sさんのいうとおり、私も正確な論文書けるヤツより、STAPを発見出来る人の方が凄いと思う。

 

 

MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんが言っていたんだけれど、産業革命以降の現代ではきちんとすることが求められ過ぎて、クリエイティビティが抑圧されている。だけれど、この情報化社会では、クリエイティビティの重要性がどんどん増しているって。

 

 

伊藤穣一さんはCreative confidenceっていう言葉を紹介しながら話していた。要は「クリエイティブなことをするための自信」っていう事なんだけれど、クリエイティブって、要は出る杭になるってことだから、出るたびに打たれてれば、そりゃあCreative confidenceなんて持てる筈がない。

 

 

工業化社会で育った頭の固い人達は、「きちんと」っていう価値観から抜けられないみたいだけれど、現にそれだけやってる企業はどんどん淘汰されてきている。

 

 

クリエイティビティと、きちんとやることは、相反する面があって、どれだけクリエイティビティを受容できるか(=社員の価値を引き出せるか)が企業価値になっていっている(現在完了進行形)んだと思う。

 

そして、そのCreative confidenceをどれだけ多くの人に持たせる事ができるかが、これからの情報化社会において、企業、ひいては国が生き残っていけるかの重要な要素になる。

 

 

茂木健一郎「幸福になる「脳の使い方」 (PHP新書)」

 

 

伊藤穣一「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」