(2010-07-04はてなブログ掲載記事を加筆修正。)
樋口先生の生き方は、私にとっては人生の先輩としてその背中を見せていただいていることだけでも、とても大きな意味のある存在だ。
先日樋口先生にお会いした時にこの本にサインをいただいた。
その際にサインと一緒に書いていただいた、その本にも紹介されているこの言葉は、そんな私をとても勇気づけたのでここでも是非紹介しておきたい。
すべての道がローマに通じるなら、ドン・キホーテよ、デタラメに行け!
誤解のないように補足をしておくと、樋口先生が反体制的な行動をいつもとっているということではない。
あくまで生き方としての指針という意味で申し上げているのである。
私が学生だったころには、実は自分の大学に対してプライドは持てていなかった。
偏差値でいえば高い方ではないし、知名度だってあるわけじゃないし。
「どこの大学行ってんの?」
この質問に答える際に、ためらいがあったことも事実。
ただ、私の場合は社会に出てからプライドを持つことができた。
偏差値で言えば上位の大学の人たちと仕事をしても引けを取らないと分かったから。
そりゃあ高校卒業時の学力で見たら、上位大学生の方が上だと思うが、
私が巣立った大学の教育は、社会人として活躍するために必要な能力を身につけさせている。
(もちろん「思い」や「志」を持つことが前提だが)
なんといっても、あのベンチャー三銃士と呼ばれるソフトバンクの孫正義さん、パソナグループの南部靖之さん、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄さんの師匠にあたる日本総合研究所会長の野田一夫先生が作った大学なのだから。
それは、別に偏差値にかかわらず、どの大学にも言えること。
学生には他流試合をたくさんして、自分に自信(プライド)をつけて欲しいと思う。
学生だけじゃない、社会人だってきっとそうだ。
絶望や、悔しさ、怒りを感じて日々を過ごしている人は多いのではないだろうか。
この本にも書かれているが、絶望を忘れないからこそ、こんな想いを二度とするものかと考えて、本当の努力をする。
そうやって、努力をしてきた人、一歩一歩足を踏み固めながら道を作ってきた人は、ある時他流試合をすると、勝ち負けは別にして、相手の鏡に映る自分を見つめることができ、それがプライドになる。
絶望を感じて、それを大切にしている人は、未来を拓くチカラのある人だ。
自分と未来を諦めていないから。
志は、そういう人に宿る。
絶望を感じない人は、許せないことに対して諦めてしまっているか、麻痺してしまっているか、忘れてしまっている人なんだと思う。
もしもあなたが、絶望や、悔しさや、怒りを感じているのなら、それはきっと正しい。
その想いを大切にすることは、間違っていない。
その道を進め。
すべての道がローマに通じるなら、ドン・キホーテよ、デタラメに行け!
樋口裕一「頭がいい人、悪い人の話し方 (PHP新書)」