井川ヒロトのブログ

志について探求を続ける 井川 ヒロト が、ニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオ)などについて思った事を綴ります。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

池上彰のやさしい経済学 第十回 バブルへGO~なぜバブルが生まれ、はじけたか?~

昨年BSジャパンで池上彰のやさしい経済学という番組が放送された。

非常に興味深かったが、残念ながら私の家ではBSが観られないため、1回あたり2時間(講義は90分)、14回連載の番組だが、実家で録画してもらった。

それをやっと観ることができたため、その講義メモを書いておきたい。

池上彰池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」(文藝春秋)」

以下、講義メモ。

池上彰のやさしい経済学 第10回 バブルへGO~なぜバブルが生まれ、はじけたか?~

バブルとは:一時に膨らみ、弾けるもの

バブルを象徴する物:ジュリアナ東京ロックフェラーセンタービルを2000億円で三菱地所が買収(その後売却)、コロンビアピクチャーズを5000億円ソニーが買収、ハワイのゴルフ場のほとんどは一時日本のモノになった。ゴッホの「ひまわり」を53億円安田火災保険が買った・・・

世界中で日本人が高価なものを買いあさり、日本人はひんしゅくを買っていた。

バブルのきっかけ:1985年9月プラザ合意・・・アメリカ経済を立て直すため、円高ドル安、マルク高ドル安を世界の首脳(日本は竹下大蔵大臣)が集まりプラザホテルで合意したもの。アメリカの貿易赤字を解消するための措置。

わずか2年の間に260円台だったのが、120円前後になった。

この急激な円高によって、輸出ができなくなり、日本は不況になった。

そのため、日銀は金融政策として公定歩合(今は廃止され、政策金利)を戦後最低の2.5%に引き下げた(今は0.1%まで下がっている)。

財テク:企業活動で得た利益は基本的には内部留保するが、土地の値段がどんどん上がっているため、利益で土地やゴルフ場などの不動産を買い、運用をして新たな利益を得ること。

→こういった状況の背景に「土地神話」があった。日本は国土が狭く土地が限られているため、土地の値段はどんどん上がるという考え。そのため、土地を担保にしてお金を借りまた新たな土地を買う、その土地を担保にまた銀行からお金を借りる。そうして土地の値段が高騰していった。

銀行は通常お金を貸す場合、担保の土地の7割~8割までを上限とするが、土地の値段がどんどん値上がりしているため、土地の値段以上のお金を貸すといったことも行っていた。

こうしていろいろな企業が本業以外で大儲けするようになった。

1987年2月NTT株売り出し、1株119万円の根が付き、すぐに318万円まで上がった。

これによってこれまで株に興味のなかった人も株を買うようになり、株価が上がった。

日経平均株価が一時3万円台にまでなった。

日銀は1987年に公定歩合を引き上げようとしたが、アメリカで1987年10月19日に起こったブラックマンデーによりアメリカの株が大暴落。アメリカより米ドルが日本に流れるきっかけになる公定歩合の引き上げ(金利が上がるため)をやめるよう要請があり、日本は公定歩合の引き上げができなかった。ドイツも同じようにアメリカから要請があったが、ドイツは公定歩合を引き上げた。そのためドイツは極端な物価の上昇は起きなかった。日本は1990年に入ってようやく対策を打ったが、山高ければ谷深しであった。

1990年3月に大蔵省が総量規制、地価税の導入、公定歩合の引き上げを行い、一気にバブルが崩壊した。

過去には

オランダのチューリップバブル、明治時代のウサギバブルなどがあった。

バブルはどこの国でもおおよそ30年ごとに起こっている。30年経つと世代が変わるため、バブルを知らない世代が同じようなことを起こす。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

池上彰池上彰が読む小泉元首相の「原発ゼロ」宣言(径書房)」