池上彰の現代詩講義 第四回 中国と台湾の対立
昨年BSジャパンで池上彰の現代詩講義という番組が放送された。
池上 彰「そうだったのか! 現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)」
非常に興味深かったが、残念ながら私の家ではBSが観られないため、1回あたり2時間(講義は90分)、14回連載の番組だが、実家で録画してもらった。
それをやっと少し最初の数回観ることができたため、その講義メモを書いておきたい。
以下、講義メモ。
池上彰の現代詩講義 第4回 中国と台湾の対立
台湾(中華民国)は東日本大震災の際に一番の援助をしてくれた。5月の段階で日本円で200億円。
中国大陸の義捐金よりもはるかに多い。
中華人民共和国には反日に人が多いが、台湾には親日の人が多い。なぜなのか?
そこに「歴史」がある。
1895年日清戦争があり、勝った日本は下関条約により台湾の割譲を新から受ける。
その後日本は帝国主義国家としてアジアに進出。朝鮮半島も制圧する。
台湾に総督府を置き、台湾の統治をする。
日本語教育、日本文化を台湾に持ち込む。
神社や文化なども持ち込んだ。
→それに対して反発する台湾人を弾圧した。統治にあたって1万人の台湾人を処刑した。
台湾の教科書では、日本に制圧をされてしまい、日本文化を押し付けられたということと共に、日本の統治によって台湾の生活水準が劇的によくなったという客観的な事実を教えている。
家に帰ったら手を洗う、むやみに痰を吐かない、日本語を無理やり学ばされたがそれによって高等教育を台湾人は受けられるようになったなど文化的に大きな進歩を日本統治によってした。
それによって、衛生環境も良くなり死亡率が劇的に下がった。
国民党軍:蒋介石。腐敗、汚職、賄賂が横行し、人民から信用を失っていた。
共産党軍:毛沢東。農民を中心に100万人を組織。統制が取れており、人民から金や物をとると厳しく処罰される戒律があったため、人民から支援を受けた。
人民解放軍→防衛予算7兆円
国家分裂防止法→非平和的方式を含むあらゆる措置をとる。
人民解放軍は空母を作っていることを認めた。
ソ連の空母ワリャーグは、ソ連崩壊によって使えなくなり、鉄くずとして売り出した。それをマカオのテーマパーク施設が戦場カジノ施設として買い取った。
しかし、そのワリャーグを買い取った会社はペーパーカンパニーで、いつの間にか人民解放軍の空母になっていた。もう少しでその空母が完成する。
人民解放軍は現時点では台湾を占領する戦力はない(攻撃はできる)。しかし、もし空母が完成し、台湾沖に駐留をすれば、その力関係が変わってくる。
中国としては、台湾に力を見せつけ「戦わずしてかつ(孫子の兵法)」を狙っているのかもしれない。
蒋介石が亡くなった後、蒋介石の息子がその後を継いだのち、李登輝が台湾の総統になった。李登輝は台湾出身の人で京都帝国大学農学部出身であり、日本語でものを考える。
李登輝は、「台湾は独立宣言はしないが、すでに中国とは別々の国である」と宣言をした。独立宣言をしたら中国は台湾を攻めざる負えないが、そうではないため、中国は台湾を攻めることはできず、かつ別々の国であると宣言をした。
1971年中華民国(台湾)は国際連合を追われる形で脱退。中華人民共和国が国際連合に加盟した。
1972年日米、日中国交正常化
しかし、アメリカには台湾関係法があり、もし台湾が攻撃をされたらアメリカが直ちに攻撃をし返す法律があり、台湾は守られている。
オリンピックはchinese taipei(中華台北)で参加している。
中華民国には「国民大会」という総統、副総統、国民の代議員を選ぶ選挙と、立法院という法律を作る組織の2つがある。
国民大会は1947年に行われた。しかし、1979年に大陸は中華人民共和国ができてしまったので、1947年に選ばれた議員がずっと議員を務め続けた(万年議員)。
1991年に李登輝が万年議員に任期満了を宣言させ、台湾人による国民大会を新たに行った。
→それを受け、中国は1996年3月に抗議をし、台湾海峡で軍事演習を行った。
→それを受け、アメリカ海軍は空母を台湾海峡に送り、中国をけん制した。その際2基の空母の内一基の空母の名前がindependence(独立)であった。
→1996年3月に李登輝は選挙で圧勝した。
「我々は独立を宣言する必要はない、しかし、我々の文化・生活には違いはある」と宣言をした。
国民党の嫌がらせにより、陳水扁夫婦にトラックが突っ込み奥さんが半身不随になった。その奥さんを介護する陳水扁というイメージで国民の人気を博した。
→その後奥さん、陳水扁、子どもが汚職(国のお金を私物化した)で起訴され、無期懲役の判決を一審で受け裁判をしている。
2012年1月に馬英九(国民党)とそう英文(民進党)による総選挙がある。
馬英九は中国と貿易を強化している。一方、民進党は中国との独立を維持する考えである。
馬英九が打ち出した政策が、三通政策。
通信、通商、通航
それまでは、香港を通して中国との通信、通商、通航を行っていた。
池上 彰「そうだったのか! 現代史パート2 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)」