井川ヒロトのブログ

志について探求を続ける 井川 ヒロト が、ニュース・社会・政治・教育・作品(映画、演劇、インプロ、音楽、本、DVD、TV番組・ラジオ)などについて思った事を綴ります。※記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属団体の公式見解ではありません。

池上彰のやさしい経済学 第二回 お金はなぜお金なのか~貨幣の誕生

昨年BSジャパンで池上彰のやさしい経済学という番組が放送された。

池上彰池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」(集英社)」

非常に興味深かったが、残念ながら私の家ではBSが観られないため、1回あたり2時間(講義は90分)、14回連載の番組だが、実家で録画してもらった。

それをやっと少し最初の数回観ることができたため、その講義メモを書いておきたい。

以下、講義メモ。

池上彰のやさしい経済学 第2回 お金はなぜお金なのか~貨幣の誕生

経済学を学ぶ意義とは、世の中のお金の流れを分析することによって、世の中の流れを分析する学問。

<Qなぜ紙に10000円と書かれている紙はお金になるのか?>

A信用の度合い。みんながお金と思っているから、国がお金と言っているからお金。

お金とは「共同幻想」である。

大昔、人は物々交換をしていた。

物々交換は、魚を持っていて肉を欲しいという人と、肉を持っていて魚が欲しい人が出会わないと、成立しない。

→交換が成立することが難しい

→集まって交換したい人を募る→市場が成立する。

→その際、皆が欲しいと思うものに物を変えておくと、自分が欲しいものを買う時に便利。

紙幣の幣の字は布という意味→布を紙幣として使っていた

貝をお金として使っていたため、買、貴、貯、財、資、貧などに「貝」の字が使われている。

古代ローマでは塩が貴重であったため、塩を貨幣や兵士の給与として使われてた。

語源として、塩Salarium→塩salt→給与salary

長持ちする貨幣として、金属貨幣へ変わっていった。

金、銀、銅はいずれもすぐに溶けるため、あらかじめ作った型に流し込んで簡単に作れたため、貨幣の材料として作られた。その中でも、銀や銅はだんだん汚くなり輝きが薄れてしまうが、金はずっと輝きがあるため、どの国の貨幣でも金が一番高い貨幣として使われている。

しかし、金銀銅の貨幣では、大量の買い物をする際に、大量の金貨を持ち歩かなければならないので、不便だし奪われる心配が増す。

→両替商という商売ができ、金貨を預かったという預かり証を発行する。やがてその預かり証で買い物をするようになり、それが紙幣となった。

両替商が銀行となり、銀行は自分が持っている金の数に応じて紙幣を発行するようになった。昔はそれぞれの銀行が紙幣を発行していた。

やがて、自分が持っている金以上の紙幣を発行する銀行が出てくる。

→その銀行の紙幣を持っている人が一斉に紙幣を金に替える。取り付け騒ぎが起き、その銀行はつぶれる。

それでは紙幣に対する信用が下がり、商売がしにくくなってしまうため、紙幣を発行する銀行は一つとすることとなり、中央銀行日本銀行ができる。

日本銀行が発行していた紙幣には、「金と交換する」という表記が書かれていた

→兌換券(だかんけん)=金と交換できるという紙幣のこと

→金をもとにお金が発行されている状態を金本位制度という。

しかし、この制度では中央銀行が持っている金の量しかお金を発行できないため、それ以上経済が発展しなくなる。

金本位制度を廃止した。←現在のお金、紙幣となった。

Q単なる紙になった紙幣だが、何故それがお金となるのか?

Aみんなが日本銀行券をお金と考える(共同幻想)ようになり、日本銀行券をお金と定めた日本という国をみんなが信用しているから。

紙幣=日本銀行券は日本銀行が発行し、硬貨は日本国が発行している。

大阪にある造幣局が硬貨を発行している。

500円の硬貨の原価は47円、453円が国の収入になる。

ユーロ紙幣と硬貨

ユーロ紙幣は欧州中央銀行が発行をしている。

一方ユーロ硬貨はユーロ各国が独自に発行(決まった数量)いるため、国によってデザインが違う。

<銀行の仕事とは>

両替商が「銀行」となり、やがてお金を発行するのは中央銀行のみになった。

銀行ということばは、銀本位制度であった名残り。

Q銀行はどんな仕事をしているのか?

A企業への融資(お金を貸す)、振込み、預け入れ

お金が余っているところから、お金が足りないところへ融通をすることが銀行、信用金庫などの金融機関の仕事

・「金融」とはお金を融通すること。

お金を預けるとは、お金が余っているということ。

借りたいということは、お金が足りないということ。

★金融機関の真の力とは、預けたお金の活用力。→借りたいという人にお金を貸し、経済を発展させられる力。

お金を預けてくれて人に利子を払い、貸した人から利子を取る。その差額が銀行の収益となる。

→銀行は、貸したけれど返してもらえないリスクを背負う。

→貸したけれど返してもらえないお金を不良債権という。

銀行はお金を貸す際に「担保」を取ることが多い。担保とは、もしお金を返せないときに銀行がもらえる資産。

消費者金融は無担保でお金を貸すため、リスクが高い分、金利を高くして消費者からあらかじめ収益を上げる。

消費者金融は、あらかじめお金を返さない者の分も金利を払わなければならないため、割が合わない。

銀行の信用創造機能

100億円を預金だれかがしたら、そのうち90億円を銀行がA社に貸し出す、A社がB社の買い物を90億円で買う。B社社C社の買い物を買うために90億円を銀行に振り込む。

そうすると、最初の100億円が200億円以上に膨らむ。

中央銀行を「最後の貸し手」という。

取り付け騒ぎが起きた時のために、それぞれの銀行が中央銀行に準備預金をしている。

もし銀行が破たんした際、日本銀行は日銀特別融資(日銀特融)を行った。

Qなぜ職業によって給料が違うのか?どの職業も世の中から必要とされるのに。

A給与も価格=値段。値段は需要と供給によって決まる。

需要はあるのに供給がすくなければ、価格は上がる。

例えばお医者さんは供給が少ないため、給与は上がる。

弁護士は司法試験合格者が大幅に増え、急激な増加により弁腰になっても就職先が決まらない人が増えた。

池上 彰「知識ゼロからの池上彰の世界経済地図(幻冬舎)」